2021年2月11日木曜日

Twitchにおける音楽配信の現状、そしてTwitchで作曲配信するということ

 
 
 
 
 
初めまして、まっつと申します。普段はTwitchでオーケストラ系の作曲配信を行っています。当ブログには音楽、作曲、配信などについての記事を追加していく予定です。今後ともよろしくお願いいたします。

さて、記念すべき最初の記事として、配信コミュニティサイトであるTwitchの音楽カテゴリについて説明させていただきます。自己紹介を兼ねておりますので話が散らかってしまっていますが、要点としては以下のとおりです。
 
  • Twitchは「配信コミュニティサイト」であり、配信者同士の繋がりも大事
  • Twitchの音楽カテゴリはDJ配信が大半で、作曲配信はごく一部
  • DJ配信みたいに作曲配信者もコミュニティを作れたらいいな
 
 
 

1. Twitchについて

 
日本ではTwitchの知名度は、他の配信サイトと比較するとさほど高くはありません。2020年の3月に行われた調査において、トップのニコニコ生放送が56.1%、次点のYouTube LIVEが45.9%の人々に認知されているのに対し、Twitchは11.6%となっています[1]。知名度と同様、日本においてはTwitchの利用率も低くなっているのですが、世界全体で見るとTwitchは非常に大きなライブ配信プラットフォームです。2019年の第2四半期にはYouTube LIVEの3.5倍以上の総視聴時間となっており[2]、2020年末には月の総視聴時間として17億時間を記録しています[3]。これは日本に住む赤ちゃんからお年寄りまでが月13時間以上視聴してようやく達成できる数字です。

また、先ほどの日本での調査によると、男性10代の知名度が33.1%、男性20代の知名度が22.7%と、若年男性層の知名度は高いようです[1]。さらに、COVID-19によりオフラインイベントの自粛が進められて以降インターネットでのイベントのライブ配信が活発になり、Twitchもその存在感を強めています。後述するMusic Unity 2020では最大視聴者数が10,000人を超え、大盛況のうちに幕を閉じました[4]



Twitchの特色

 
私自身、他のプラットフォームでの配信・視聴経験が少ないのであまり語れないのですが、Twitchの特色は公式Twitterアカウント(日本)の以下の自己紹介文によく表れていると思います[5]
「グループ配信, 拡張機能, 低遅延, フルHD。一歩先を行く配信コミュニティサイトが Twitch です。」
Twitchは「配信コミュニティサイト」であり、配信者と視聴者の繋がりだけでなく、配信者同士の繋がりを深めることのできるシステムを数多く備えています。紹介文記載のグループ配信に加え(むしろこの機能が使用されているところはあまり見ないのですが)、自身の配信終了後に他の配信へ視聴者ごと移動するレイド機能、自分が配信していないときに他の配信をミラーするホスト機能などがあり、これらを利用して配信者同士でコミュニティを成長させていくことができます。特にレイドはTwitchの目玉機能と言っても過言ではなく、この機能を利用してリレー形式で配信を続けていくイベントも開催されています。


(上図)Twitchのレイド機能とホスト機能の違い




2. Twitchの音楽カテゴリの現状

 

音楽カテゴリの内訳

 
Twitchでは、配信時にカテゴリと使用言語タグを選択します。音楽カテゴリで日本語タグを付けた配信を見てみると、私の体感ではDJ配信7割楽器演奏(弾き語り、カラオケを含む)配信が2割強で、残りの1割弱作曲配信といったような内訳です。さらに作曲配信も音楽のジャンルが様々で、ヒップホップ系の所謂ビートメイキングと、これまでDTMと呼ばれてきたMIDI編集メインの作曲が半々程度となっています。なお、楽譜ベースで作曲するのは私の知る限り私一人です。

日本語に限らずDJ配信は多いのですが、海外の場合はやや楽器演奏配信が多く、特に視聴者を多く集めている配信の中では楽器演奏配信の割合が高くなっている印象があります。余談ではありますが、海外で特色のある配信といえばラジオ系で、24時間年中無休で特定のジャンルの音楽を流し続けているチャンネルがかなりあります。権利関係については謎です。


DJ配信発展の理由 (個人の印象です)

 
配信者の視点からすると、DJ配信は作曲や楽器練習の過程を飛ばして完成品の音楽から始められるところが嬉しいところです。作曲の勉強や楽器練習の過程を配信することもできますが、視聴者にとっては何をやっているかが分かりづらい時間が多く、配信者としても気後れしてしまうものです。もちろんDJの場合はそこから選曲、ミックス、エフェクター操作など、探求すべきことは多々あるのですが、完成品の音楽を弄っているので視聴者としても分かりやすく、むしろその奥深さ気軽さと相まって配信者と視聴者を増やすことに繋がっているのではないかと思います。

日本では2020年にDJ配信が活発になった印象を受けます。先ほど触れたMusic Unity 2020(MU2020)は、秋葉原のDJクラブであるMOGRAが主催となり、COVID-19の影響下でイベント開催が困難になった各地の音楽拠点を代表するDJなどによるパフォーマンスをライブ配信するイベントでした[4]。4回にわたって開催されたMU2020は各回とも大盛況を極め、このイベントで集まったDJ・クラブ愛好家たちがTwitch内で独自の配信コミュニティを形成する契機となりました。
 
 
 

3. Twitchでの作曲配信

 

私(まっつ)の配信について

 
私はTwitchにて2019年4月より作曲配信を行っております。活動内容としては楽譜作成ソフトのDoricoを使用した作曲と、その作品のDAW(Cubase)への打ち込みがメインです。先ほど作曲の勉強は配信しづらいと書きましたが、Twitchアフィリエイトになってからは特に気にせず作曲練習配信もしています。私の思っている以上に楽譜の読めない方は多いらしく、作曲や作曲練習で楽譜を表示しているときよりもDAWの画面を表示しているときのほうが視聴者数は多い気がします。

配信のスタートは決して早いほうではありませんでしたが、2020年8月Twitchアフィリエイトになることができました。Twitchアフィリエイトになることで、サブスクライブ(有料の月間購読)、ビッツ(投げ銭)といった収益化が可能になるだけでなく、チャンネルポイント(チャンネル視聴などで貯まるポイントで、配信者が用途を決められる)やチャンネルトレーラー(チャンネルを開いた際に表示される動画)の編集など、コミュニティをより活性化するための機能を使えるようになります。以下は私がアフィリエイト化した際のツイートですが、ご覧のとおり地道に配信していれば決して難しい条件ではないのが魅力です。

 
 

海外の方との交流

 
Twitchの海外での知名度の高さから、海外の方もよく配信にいらっしゃいます。私が配信タイトルに”[JA/EN]”(日本語/英語)と付けているからかもしれませんが、チャットの言語は英語のほうが多く、私も普段は日本語で喋りつつチャットには英語で対応することが多いです。英語の勉強をしたい方にはTwitchは是非お勧めしたいですし、英語が喋れなくても翻訳ツール等を使用してコミュニケーションをとられる方もいらっしゃいます。また、これも海外の特徴なのか、皆さん基本的に大げさに褒めてくださる方ばかりで、私もしばしば「素晴らしい音楽」「才能がある」「Go to Nintendo」などとお褒めにあずかっています。
 
 
 
 

おわりに

 
以上、Twitchの音楽カテゴリの現状について、自己紹介を絡めて概説させていただきました。改めて私がこの記事を書いた理由、そしてこのブログを解説した理由を述べさせていただきますと、Twitchにおける作曲配信を活性化させたいという願いがあるからです。Twitchは配信コミュニティサイトであり、様々な人が集まってコミュニティを形成し、成長させていくことができます。現時点での問題は作曲配信に人が集まっていないことで、今回一人でも多くの方にTwitchのことを知っていただき、視聴・配信していただければという思いでこの記事を執筆いたしました。

配信者として、そして視聴者として、皆さんとTwitchにて交流するのを楽しみにお待ちしております。
 
 
 

 参考資料

 




[5] Twitch Japanの公式Twitter(2021年2月11日閲覧).

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